信濃の国からこんにちは

三崎隆です。私たちは『学び合い』(二重括弧の学び合い)の考え方を大切にしています。

揺らぎ

 学校現場に現れる現象は種々様々です。それらの現象はその集団の中における揺らぎなのかそうではないのかを考えるときがあります。保護者のみなさまや子どもたちの意識を知りたいと思って,調査をするようなときには特に感じることです。この結果は誤差なのか?と。その議論に一定の示唆を与えてくれるのが,教育の調査における一般的な誤差もしくは揺らぎの程度です。その集団の中で現れる現象が,一般的な誤差もしくは揺らぎの範囲内なのかどうかについての一定の示唆を与えてくれます。一般的な誤差もしくは揺らぎはおおむね調査人数の平方根程度であると言われます。つまり,対象となる人の数が100人いれば,100の平方根である±10人程度の誤差つまり揺らぎが生じることになります。100人の中の10人ですので,誤差率としては10/100×100ですから,10%程度となります。100人いるならば,10%程度つまり10人ほどは揺らぎの範囲の中にいると言うことになります。40人学級の場合なら,40の平方根となる±6.3...人の誤差が生じることになります。15.8%ほどの誤差です。30人学級ならば,30の平方根±5.4...人の誤差で,18.3%程度です。現在の学校現場は附属学校等でなければ,30人学級が多くなってきましたから,30人の子どもたちが表す教育現象では6人程度は揺らぎの範囲内ということになります。したがって,30人学級で見られる教育現象で4~5人ほどの子どもたちに見られたとしたら,それは揺らぎの範囲内なのかな?と思ってみる必要がありそうです。