信濃の国からこんにちは

三崎隆です。私たちは『学び合い』(二重括弧の学び合い)の考え方を大切にしています。

待つ

 4月26日に,『学び合い』の考え方の環境構成の一つとして待つことについて書きました(https://ob1989.hatenablog.com/archive/2020/04/26)。

 実は,あまり語られていませんが,『学び合い』の考え方で大切なことの一つに,この「待つ」ことがあります。学修者の有能さを認めて,それを信じることから目標達成までの学修活動を任せるのですが,任せた限りは待つことが重要でかつ大切なのです。自戒を込めて,この待つことがなかなかできないのです。特に,『学び合い』ライブ出前授業に行ったときなどは,通常の教室に所狭しとその学校の先生方がずらっと並んで参観していますから,結果を出したいと思えばこそ,焦ってしまうのです。そうすると,待てません。教師という職業柄やはり,多くを口頭で伝えることで仕事をしてきた経緯もあり,しゃべっていないと落ち着かない悪い癖が出てしまいます。

 今,新型コロナウイルス感染症対策としてオンラインによる授業をしていますが,そうなると必然的にしゃべっては受講生の任せ,またしゃべっては受講生に任せ,というリズムを作らないと先に進めなくなるので,教師のおしゃべりはそこそこに押さえなければならない環境が否が応でもやってきます。そうでない限り,どうしてもしゃべりたくなるのは仕方がないことなのかもしれません。

 『学び合い』の考え方の場合,そこをぐっと耐えて,子どもたちに任せます。言いたいことがあっても言わず,どうしても言わなければならないときは,その子個人に言うのではなく,集団全体に言うことです。どうしても言わなければならなかったときは,です。または,模造紙に書くか黒板に板書するか,します。その上で,授業の最後のリフレクションで語ります。待つことは『学び合い』の考え方を十分に活用する上でのいちばんのコツとも言えます。

 それが『学び合い』の考え方です。