信濃の国からこんにちは

三崎隆です。私たちは『学び合い』(二重括弧の学び合い)の考え方を大切にしています。

質問トークをしよう

 『学び合い』の考え方に取り組んで3年目の学校にお邪魔して,先生方の教育実践を参観してきました。それはそれは見事なもので惚れ惚れしました。子どもたちを信じて任せる姿勢は秀逸で安心して見ていることができます。子どもたちは先生の信頼に応えてわいわいがやがやゴール目指して一直線です。子どもたちの力というのは素晴らしいものだなあと,参観しながら改めて思います。わずか1単位時間の授業参観ですが,わずか1単位時間だけにそこだけ頑張ろうと声かけしたとしても,必ず地が出ます。それがこの素晴らしさですから,この学校の日頃の取組の素晴らしさを物語っている証に他なりません。子どもたちの素晴らしさはひとえに先生方の素晴らしさであり,校長先生の学校経営の素晴らしさです。他に表現が見つかりません。それだけに感服しています。素敵な子どもたちと魅了溢れる先生方に会うことができて幸せですし,学校全体で取り組んでおられる意欲的な研修体制には敬意を表します。また行きたい学校です。
 校長室で校長先生と語らいます。一緒にトークしようと質問トークしようのキャッチフレーズとも言える試みが目を引きます。校長先生は実際に質問トークを自ら実践されているのですから,敬服に値します。質問は,視点を持っていないことには質問しようがない上に,相手の話を十分に理解できていないと質問できないものです。それだけに,質問トークのタイムの挑戦は価値あることであり,一段質の高い取組であることがよく分かります。この学校の質の高さが分かるというものです。
 全学級で,『学び合い』の考え方が共有されていて,職員室では『学び合い』の考え方の授業をどのように試みようかと話題になるとか,なんともうらやましい学校ではありませんか。共通して取り組んでおられる様子がよく伝わってくる挑戦,それはネームプレートをどのクラスも使っていて可視化が行われている点,チーム学習と称して,自分で考えチャレンジしよう,分からなくなったら友だちに聞こう,分かるまでとことん教えてあげよう,と全校全クラスで共通認識がなされ,掲示もされています。タイマーによる時間の可視化もなされ,励ましの声かけによる可視化も行われ,随所に”いいんだよ”が当たり前のごとく聞こえてきて,子どもたちの良さもどんどん見つけられていて可視化されて,先生がどこにいるか分からないほどわいわいがやがやが続いていて,子どもたちは「困っている人手挙げて!」「クリアしていない人手挙げて!」「一緒にやろう」「みんな大丈夫?」とか「困っている人いない?」とか,えーっと思うような発話がどんどんでてきて,一緒にやろうは当たり前で,タブレットでオンライン参加している子どもたちがいて,今日来ていないお友だちも加えてみんな一緒の文化があって,そんな学校でそんな全クラスです。もちろん,全員が目標達成しています。見とれてしまいます。「こまったらいつでも呼んでね」「こまってることない?」「いま,どんな感じ?」「分からないから一緒に考えて」「こまっているからたすけて」と,どんどん出てきます。
 「ありがとう人の数だけ人生は豊かになる。どうしたら助けてあげられるか,たくさんチャレンジして。」と黒板に書かれていたり,「次に何やる?」「振り返りテスト!」と授業者と子どもたちの会話があり,「説明が分からなかったら?」「どうしてそうなるの?」「なんで?」と応えると,授業者と子どもたちの間での惚れ惚れするほどの考え方の共有があって「がんばるぞー,おー!」があり,「分かったふりをしない。分からないことは恥ずかしいことではなく,分かろうとしないことが恥ずかしい」と書かれていたり,「みんなで助け合い,全員が問題を解けるようになる」とあり,「いいんだよ」が連発する素敵な文化が充満し,まだまだありますが,挙げ始めたらきりがありません。
 こんな学校みたことない,と思わせてくれるほどの魅力を持っている『学び合い』日本一と言えるほど本当に見事な学校です。校長先生がリーダーシップを発揮され,全員が同じ方向を目指して一致団結しながら一切ブレることなく真摯に取り組んでいる,先進的で積極的生産的自主的行動的な先生方の魅力溢れる教育実践からたくさん学んできました。機会をくださった校長先生に心から感謝します。
 あまりに印象深くてインパクトが強かったために長くなりましたが,最後までお読みくださり,ありがとうございました。