信濃の国からこんにちは

三崎隆です。私たちは『学び合い』(二重括弧の学び合い)の考え方を大切にしています。

理科は難しい

 理科が難しいと言われる所以は,理科に単位があるからであることはよく知られています。ですから,算数・数学は無難に問題解決に至ることができたとしても一般的に理科になるととたんに問題解決に至らなくなる例が数多く見受けられます。私もそうでしたし,なかなかやっかいです。
 理科の場合,たとえば,長さをl(エル)で表しますが,このl(エル)の中には単位が包含されています。メートルが一般的です。ですから,l(エル)と書いたら,いちいち単位を書く必要はありません。言い方を変えると単位を書くと,理解していないんだなあと思われてしまいます。
 一方,算数・数学の場合は長さをl(エル)と表しますが,このl(エル)の中には単位は包含されていません。ですから,l(エル)と書いたとしても,そこに必ず単位を添えなければなりません。言い方を変えると単位を書かなければ,理解していないんだなあと思われてしまいます。”私は理科のつもりで書かなかったんです”と言い訳をしたとしても,ここは理科ではなく算数・数学なんだよと返されてしまい,文脈の違いによって正解も正解でなくなるからやっかいです。
 文脈に依存して問題解決を図る必要があるわけです。だからこそ,理科が難しいと言われます。