信濃の国からこんにちは

三崎隆です。私たちは『学び合い』(二重括弧の学び合い)の考え方を大切にしています。

言われる人になれるといいね

 私には,小学校第2学年の子どもから教えてもらった魔法の言葉があります。大切にしています。それが「一緒にやろう」です。その子は私に教えたなどとは全く思っていないはずですが,私には金言として生涯忘れ得ない宝物の言葉です。教えたはずの人間は教えた認識がないにもかかわらず,それを聞いた人間は教えてもらったと認識している典型的な事例の一つです。
 "これぞ『学び合い』"の学校にお邪魔して先生方に語らせてもらった内容の中に,魔法の言葉があります。次の言葉群です。
「どうしてそう考えたの?私に分かるように説明して。」
「どうやるとできるの?私ができるようになるように話してみて。」
「みんなはどう思う?」
「どうしてそう思ったの?わけを教えて。」
「たとえば? ほかには?」
「どこの言葉からそう考えたの?」
「へえそうなんだ。それから?」
「なんでその考えになったの?」
「納得した!」
「どういうこと?(教えて)」
「よく分かったよ,その説明から分かったよ。」
 これらの魔法の言葉は,言っていいんだよ,というよりも言ってほしいなあ,言えるようになれるといいね,という強い思いがあります。できることならば,全員の子どもたちに共感してもらっていつでもどこでも誰にでも何回でも言えるようになることを心から強く願うものです。もっと言わせてもらえれば,全員が言われる人になれるといいなあと心から強く願います。
 つまり,このことは
言える人になれるといいね
言われる人になれるといいね
です。
特に,言える人になってもらうことも重要で大切なのですが,それよりも,言われる人になってもらうことの方がもっと重要でもっと大切です。
 これら一連の言葉群を言ってもらえると言うことは,言う人から絶大な信頼を受けている何よりの証拠になるからです。心を開いて,あなたのことを承認し信頼しているという,分からなくて困っている子どもたちから示された言外の観の表れだからです。そのようなクラスの文化を築き上げたいものです。
 言われる人になるためには,自分には何ができるのだろうか,考えながらやってみようよ,と。