信濃の国からこんにちは

三崎隆です。私たちは『学び合い』(二重括弧の学び合い)の考え方を大切にしています。

カミキリムシが網戸にやってきた

 カミキリムシが窓の網戸にやってきて一息ついています。休息中の所,失礼でしたが私は,目の前14cmくらいのところから,腹部側をじーっと観察させてもらいました。滅多にない場と機会を得たのですが,私の人生でも偶然にも初めてのことです。生態とまではいきませんが,カミキリムシの休憩中(?)の様子をはじめて接眼状態で見つめることができ,幸運でした。
 じーっと観察していると,そのうちに,右前足と右中足をこすり合わせるように(見えましたが),足の手入れをします。続いて,右中足と右後ろ足をこすりあわせて念入りに手入れをします。さらに,右後ろ足と左後ろ足をこすり合わせながら手入れに専念します。それが終わると今後は対になっている左側の3本の足も同様に手入れに余念がありません。
 次に,今度は「し」の字を逆さまにした,長い長いとても長い触覚の手入れです。そのカミキリムシは頭部から腹部までおよそ3cmくらいでしたが,触覚はその長さの3倍は優にあります。右に左に伸びていてゆっくり動きますから,見ていてなんとも優雅です。右前足と右中足の間に右触覚をはさんで,右触覚を引き抜くようにしながら丁寧に触覚の手入れです。ちなみに,触覚は5-8mmくらいのいくつかの節からできています。さすがに,節足動物という名前のごとく,触覚もそうなんだなあと改めて知るところとなりました。長い長い触覚を上手に手入れしているなあと感心します。それが終わると今後は左触覚も同じように手入れに余念がありません。
 そのあとは,頭部,おそらく首の周辺でしょうが,右からゆっくり左に動かしながら,人間にたとえると首を回すようにとでも表現したら良いのでしょうか,周りの観察をしています。右前足を口器のあたりにもっていって口器の手入れも怠りません。これから,何か楽しいひとときの準備をしているのかもしれません。
 ところで昆虫にとっては当たり前なのでしょうが,3対,6本の足をバラバラに動かします。よく観察してみても,動く順序に規則性はないようです。しかし,どれかとどれかが同時に動くことはありませんし,どの足がいちばん最初に動くのかも,何回観察し続けても決まったパターンはないようです。体を回転させるときも,6本の足をバラバラに動かしますから,そのリズムが絶妙です。まるで,回転するたびに,新しいリズムを創作的に生み出しているかのようです。
 今年は昆虫を観察できる年のようで,とても嬉しいです。興味深く,楽しいひとときを過ごす事ができました。