信濃の国からこんにちは

三崎隆です。私たちは『学び合い』(二重括弧の学び合い)の考え方を大切にしています。

教師の考えていることを全部伝えるのが肝

 以前からずっと言われ続けていることではありますが,『学び合い』の考え方を子どもたちと共有して授業をする場合にいちばん肝心なことは課題です。教師用指導書を見ると,本時の目標は載っているので,たまに載っていない教師用指導書もありますが,一般的には載っているのでそれをそのまま使うことができます。一見,簡単そうに見えます。
 しかしながら,教師用指導書に載っている,その目標を子どもたちに誤解のないように分かってもらえるような具体化作業が一番難しいのです。教師用指導書に掲載されている目標というのは,一般的で,抽象的だからです。各学校の現場の先生方が,それを読んでいかようにも具体化させて実践できるようにしているからです。ですから,それをそのまま子どもたちに提示したとしても,教師が読んでも一般的で抽象的なのですから子どもたちにとっても推して知るべしです。
 子どもたちに具体的に何をさせたいのかを決めだして,文章化する作業が一番難しいのですが,それが一番重要で,なおかつ,いちばん大切なことです。教師の考えていることが子どもたちに誤解なく伝わるかどうかの岐路だからです。当該単位時間において,子どもたちに対して教師が何を求めているのか,心の中を全部出し切ることが肝要です。これは○でこれは×だよ,という心の中で思っていること考えていることをすべて,子どもたちに包み隠さず伝えること,それがポイントです。