信濃の国からこんにちは

三崎隆です。私たちは『学び合い』(二重括弧の学び合い)の考え方を大切にしています。

何をしたら良いのか具体化する

 一昨日と昨日の2日間に渡って,次の出前授業の目標を記しました。いずれも単位時間を受ける子どもたちに求めていることがあります。一昨日は「答えることができる」で,昨日は「説明することができる」です。これらはいずれも,子どもたちが自分自身で達成できたかどうかを自己評価できるものでなければなりません。ですから,教師つまり授業者だけが達成した状態の姿を思い描くことができていたとしてもそれが子どもたちに伝わっていなければアウトです。それが『学び合い』の考え方です。
 したがって,子どもたちが自己評価できるような具体的な姿として示さねばなりません。「答えることができる」とは言っても,何をどれだけどのように,です。「説明することができる」と言っても何をどれだけどのように説明できたらOKなのかが子どもたちに伝わるような目標にしなければならないということです。
 前者については,名詞に関する5つのルールを挙げます。その上で,具体的な単語を示して5つのルールに則って対応できるようになることを求めることにしました。後者は4つの手入れの仕方を挙げます。その上で,具体的な衣服を示して4つの手入れの仕方に則って対応できるようになることを求めました。いつものことですが,授業の終わりには,何も見ないで誰にも聞かないで誰にも頼らずに一人でできるかどうかを試します。前者の場合は,5つのルールの中からそれぞれ1つずつ単語を尋ねます。後者の場合は,4つの手入れの中からいずれか1つの手入れを尋ねます。自分ごととして,「なんで(そうなるの)?」という発話が出てくることを期待します。
 『学び合い』の考え方では,説明できるようになることを求めることが多いですが,何をどれだけどのように説明できたらOKなのかを教師自身が分かっていなければ元も子もありません。学んでいる子どもたちの様子を見ながら判断しようとしているなどという実践は完璧なアウトです。それでは,子どもたち自身が自己評価ができないからです。
 子どもたちが自己評価できるためには,授業前に明確な評価基準を作っておいて,事前に示すことが肝要です。そう,評価規準ではなく評価基準でなければダメです。ルーブリック(この内容は○だけど,あの内容は×という基準)も有効ですし,キー・ワード(最低限これだけは書いてないとアウトという語句)提示も有効です。
 『学び合い』の考え方は,誤解されないゴールの具体化,自己評価がキー・ワードです。