信濃の国からこんにちは

三崎隆です。私たちは『学び合い』(二重括弧の学び合い)の考え方を大切にしています。

似て非なり

 SDG'sの関係で「誰ひとり取り残さない」教育の推進についての話題を聞く機会が多くなりました。長野県もプランの中に入ってます。我々が推進している教育は,一人も見捨てない教育です。似ているようですが,同じなのでしょうか。両者は似て非なるものです。
 両者の教育を推進する主体は誰でしょう。主語と換言してもかまわないものと考えます。誰一人取り残さない教育を推進する者は誰ですか?だれが誰一人取り残さない教育をすすめるのでしょうか。紛れもなく教師です。SDG'sは教育だけではないでしょうから,大人と換言したり指導者と換言したり,先導者です。
 一方,一人も見捨てない教育を推進する主体は誰でしょう。だれが一人も見捨てない教育をすすめるのでしょうか。紛れもなく,子どもたちです。一人も見捨てない教育を行うのは子どもたち自身です。教師ではありません。先導者ではなく,活動する本人たちなのです。一人も見捨てない教育は,子どもたちが自分で考え判断し,自分で実際に同僚を一人も見捨てずにやってみる教育です。
 自分が,同じ目標に向かう集団内の構成員を同僚として認識し,同僚と一緒に目標達成するにはどのようにしたら良いのかを自分で考え,一緒に考え合い,自分で判断し一緒に判断し合い,自分で実際にやってみるみんなで一緒に実際にやってみる,教育です。だから,自分が同僚を一人も見捨てない具体的な行動を自分たちで実際にやってみる教育なのです。それが,『学び合い』の考え方です。誰一人取り残さない教育とは,似て非なり。