信濃の国からこんにちは

三崎隆です。私たちは『学び合い』(二重括弧の学び合い)の考え方を大切にしています。

子どもたちが行っている

 先日,東海中学校の先生方とオンラインで話をさせてもらいました。当研究室OBのいる県内のM中学校にも何回も視察に来られた学校です。この学校が日本一なのは,個別最適化を子どもたち自身が『学び合い』の考え方の下で行っている点です。通常,個別最適化は教師が手立ての1つとして行うものとしてとらえられていますが,この学校はそれを子どもたち自身が自らの個別最適化の学びを行いながら目標達成をしているところです。それが一人だけではなく,クラスの集団内の構成員全員がそれを行っているから何をか況んやです。みんなでみんなが目標達成するためにだれの個別最適化をどのように推し進めたら良いかを自分だけでなく,みんなで考え判断したことを具体的に実行に移しています。M中のN実践にも同じことが言えます。
 もう一つ,ファシリテーターとしての教師の役割について,話題になりましたが,この話は教師がファシリテーターとして昨日するためにどのような役割を担ったら良いかということなのですが,この学校はこどもたちがみんなでファシリテーターの役割を果たしていることが特筆すべきことです。おそらく,子どもたち自身は自分がファシリテーターをしているなどという意識は全くないでしょう。『学び合い』の考え方の下では,知らず知らずのうちに結果としてファシリテーターの役割をしているのですから,二次的なものであると言っても過言ではありません。『学び合い』の考え方というのはそのような副次的な効果ももたらします。ファシリテーターの役割をすることを目的としなくても,結果的におまけでついてくるのです。
 子どもたち自身が個別最適化をし,子どもたち自身がファシリテーターの役割を結果的にしているこの学校の授業実践だからこそ,冒頭の表現が出て来る所以です。