信濃の国からこんにちは

三崎隆です。私たちは『学び合い』(二重括弧の学び合い)の考え方を大切にしています。

アイ・コンタクト

 アイ・コンタクトという表現があります。目は口ほどにものを言うとも言われます。目標達成がなかなか難しい,あるいは人間関係を築くことがなかなか難しい子どもたちにとっては,自分の周りの子どもたちとの間の文化をどのように創り上げていくのかに難しさを感じています。
 一瞥という表現があるように,1回だけちょっと見てくれる周りの子どもたちがいます。一瞬だけですが何回も見てくれる子どもたちがいます。見つめるという表現のようにじっと見続けてくれる子どもたちがいます。その目が自分のことを真剣に思ってくれているものなのか自分を見下しているのかは,アイ・コンタクトの前後の文脈に依存するように思われます。
 何回も見てくれているのであれば,その前後の文脈にも依りますが,自分のことを考えてくれているのかもしれません。常に気にかけてくれているエビデンスである可能性があるからです。指を指しながらあるいは笑いながら一瞥するようなら見下しているのかもしれません。いずれも,その視線の先にある子どもにしかその受け止め方の実際は分かりません。
 アイ・コンタクトだけではありませんが,往々にして,行為を及ぼす側は印象を残さないものですが,行為を及ぼされる側は行為をする側が記憶に残さないような何気ない行為であったとしても印象深く記憶に残ることが比較的あるようです。アイ・コンタクトが困っている子どもたちへのメッセージとなることが,目標達成への遠いようで近道であるように感じます。