信濃の国からこんにちは

三崎隆です。私たちは『学び合い』(二重括弧の学び合い)の考え方を大切にしています。

みんな違っていて当たり前から始めましょう

 みんな違っていて当たり前を前提にするのか,みんな同じであって当たり前を前提にするのかによって,その後の展開は全く異なります。頭では分かっていても,実際にその場に自分ごととして立ち会ってみるとなかなか行動が伴わないものです。
 同じ授業をしたとしても,みんな分かり方が同じであって当たり前と捉えて展開していくことと,みんな分かり方が違っていて当たり前と捉えて展開していくのとでは天と地の違いがあります。前者は,当然全員が分かっているであろうと授業を進めます。後者は分かってくれる子と分かってくれていない子がいて当たり前なのであるとして授業を一工夫二工夫試みようとします。
 すぐに分かる子にとってはどちらでも大して問題は生じません。ところが,すぐには分からない子にとっては後者は助かりますが,前者は対応できません。分からなくなったそのときに少し考え始めますが,考え始めた時点ですでに授業はその先に飛んで行ってしまいます。ますますアウト状態に陥ります。まるで,階段から転げ落ちるようです。視野がぐるぐる回ってしまうので何が起きているのか自ら把握できないでいて,気がつくととんでもないところに置き去りにされている感覚です。
 みんな違っていて当たり前なのだからこそ,そんな子どもたちのために授業をどうしようかと考えるところから始めましょう。