ある行動をとる際に，その行動が周りの迷惑にならないように気を配りながら行動を起こすような文化の下で育った場合と，その行動は個人の権利なのだから周りの迷惑など気にせずに行動を起こすような文化の下で育った場合とでは，その後成人になったときには，よほどのことがない限り，その型のその行動のあり方がそれまでの育ってきた文化に依存して決定されます。
その文化に依存する行動がどのような行動であるのかも，それまでの文化によって異なります。あるときは前者であったりまたあるときは後者であったりするのでやっかいです。自分自身のこれまでの無頓着なデリカシイのない行動の一面をリフレクションして自戒します。前者の文化に依存している場合には，後者の文化に対してはストレスとなることが多くあります。
私たちが初めて学ぶことに関しても，それは当てはまります。初めて学ぶ内容に数多く触れる文化の下で育ってきた場合には，それに対してストレスなく理解が促されますが，そうでない場合，つまり初めて学ぶ内容に全く触れない文化の下で育ってきた場合には全く理解が進みません。同じ内容を学んだとしても，前者と後者では理解には相当のズレが生じます。理解の仕方は，決して一様にであることはありません。頭で分かっていてもできないのが，授業に臨む授業者です。
