信濃の国からこんにちは

三崎隆です。私たちは『学び合い』(二重括弧の学び合い)の考え方を大切にしています。

要因の抽出と条件制御

 自然現象は原因があって結果としての事実が現れます。学生の皆さんに対しては,失敗などということはなく,それは自然界が原因に基づいて素直に事実を見せてくれているだけのことであることを伝えます。
 その原因を突き止めるためには,さまざまな要因を抽出しなければなりません。抽出された要因を一つ一つ,それこそしらみつぶしに調べていかなければなりません。この作業の工程は,小学校で学びます。理科の第4学年では要因を抽出する問題解決の力を育てます。理科の第5学年では条件制御の問題解決の力を育てます。
 ですから,前述の作業の工程をどのように進めていったらよいのかは,万人に備わっている問題解決能力であると言えるのです。しかし,です。自分が小学生であったころのことを思い出してみれば,あまり記憶にないことが多いのですが,そのときはのちのち,これほどまでにボディブローのように効いてくるなどとはこれっぽっちも思わずに,時間を浪費していたような気がします。
 同時に2つの要因が関わっていると,どちらの要因によってその結果が導き出されたのかを特定することは不可能です。ですから,要因を1つに絞って試してみることが必要です。その結果,その要因によってその結果が出てくればその要因によることが判明しますが,そうでない場合には,また別の要因を探してその要因による結果なのかどうかを調べます。その繰り返しです。
 自然現象として現れる事実がどの要因によって導き出されたのかを特定することはなかなか難しいです。