信濃の国からこんにちは

三崎隆です。私たちは『学び合い』(二重括弧の学び合い)の考え方を大切にしています。

太陽は何色?

 みなさんは太陽を何色で描きますか?昔,太陽を赤い色ではなく自分の独自の色で描いたところ,そのときの学校の先生から注意されて,それ以来,絵を描かなくなったという話を聞いたことがあります。太陽は何色なのでしょうか?日中と日の出日の入りのときの色は若干違いますから,一概にこの色ということは言えないでしょう。その先生は太陽は赤い色としていたようです。日の出と日の入りのときの太陽はオレンジ色に近い色になりますが,日中は白い色ではないでしょうか。眩しすぎて直視はできません。しかし,間違いなく赤い色ではありません。
 日の出と日の入りの時は,太陽光線が大気中を通るときに日中よりも長い時間大気中を通るために,青い色が粒子にぶつかって散乱して地上まで届かないことによります。そのため,オレンジ色に見えるのです。日中は,太陽高度が高いために,青い色の光線も地上に届くので白くなります。
 理科の授業で学ぶ色もなかなか事実を確認した後には難しいです。デンプンを検出するヨウ素液は青紫色になりますが,薄いと青い色に見えますし濃いと黒い色に見えてしまいます。青紫色と答えないと×です。青紫色はこのとき初めて学びます。リトマス試験紙も青と赤が出てきますが,水色とピンク色に見えます。青いリトマス紙が赤くなると覚えますが,実際には水色が薄いピンク色になるというのが事実です。ベネジクト液も赤褐色になりますが,赤褐色という色をここで学びます。黄褐色も茶褐色も現れます。結局,教科書で覚えることになるので,その経験が続くと,教科書で覚えることが定着してしまいます。
 冒頭に戻れば,太陽は赤い色と覚えるようになるのでしょう。教科書を覚えるだけの子どもたちを育てたり先生の言うことを聞く指示に従うだけの子どもたちになったりことは本来目指すべき教育ではないのではないでしょうか。価値観を押しつけられているわけではないでしょうが,こうでなければダメだという文脈ではなく,多様な表現が認められるようになる文化を大切にしたいと思うところです。