個人の行動が何に依存するのかを考えるときがあります。個人の行動が個人の特性に依存するのか，個人の行動が集団の特性に依存するのかです。特徴的な個人を考えるときには前者で，集団全体として個人を考えるときには後者であるように思われます。我々の『学び合い』の考え方では，集団内の構成員全員の目標達成を求めることから，後者であることが分かります。個人の行動が集団の特性に影響を受けて生起します。また，集団の特性に影響を受けて促進されます。そして，集団の特性に依存して修正され改善されより良く向上していきます。それはこれまでの理論と実践の蓄積から間違いないことです。個人の行動が個人の特性に依存することを否定するものではありませんし，場合によっては個人の特性に依存して行動が生起し，改善されより良くなっていくことも間違いないことですが，それは集団によるものによってより一層高められていきます。その意味においては，集団づくりの重要性が極めて高いと言えます。
