信濃の国からこんにちは

三崎隆です。私たちは『学び合い』(二重括弧の学び合い)の考え方を大切にしています。

教職大学院のリフレクションをオンラインで開始

 教職大学院のリフレクションの授業をオンラインで始めました。

 院生のみなさん自身がこれまでの大学院の活動の中でどのような教育研究の実践を積み上げてきたのか,それについてどのように振り返って考え,判断し,今後どのように取り組んでいこうとしているのかを一緒荷鳴って考え判断し,次の行動への見通しを持つ時間として位置付いています。

 我々の発話と行動は,社会的文脈に依存していることがよく知られています。発話となって外化されるプロセスの中では,考え判断した上で行動の一つとして発話されることになりますから,発話も,①考え,②判断し,③行動する一連の流れの中に組み込まれていると言えます。

 学校現場における道徳教育は,①道徳的価値,②道徳的判断力,そして③道徳的実践とされており,①道徳的価値と②道徳的判断力は道徳の時間で補充,深化,統合されます。その上で,学校教育全体の教育活動を通じて,③道徳的実践が求められます。したがって,道徳教育は学校教育の教育活動全体で行われる領域として位置付いているものです。

 良くお分かりのことと思いますが,我々の①考え,②判断,③行動のうち,①考え,②判断が望ましいものとなったとしても,③行動が伴わないことは良くあることです。道徳教育においても同様です。①道徳的価値と②道徳的判断力が道徳の時間において培われたとしても,それがそのまま③道徳的実践に直結するかと言えば,なかなかそうならないところがあって難しい物です。

 ですから,道徳の時間において①道徳的価値と②道徳的判断力がどれだけ培われたとしても,学校教育全体での教育活動において③道徳的実践がいかに行われるかが注目されるところです。

 話を戻します。

 教職大学院のリフレクションの授業において,院生のみなさんの考え判断そして行動見通しを聞きながら,その文脈に依存して改善に向けた処方箋がひらめいてくるのですから不思議な物です。自ら語りながら,つまり自ら文脈を作りながら次の文脈を作り出す道筋を作っていく作業が行われていることを感じながらも,さらに次の文脈が見えてくる現象が起こっています。

 我々は,そのときの社会的文脈,つまり自分のまわりで語られている状況や行われている諸々の行動現象を見ながら,自ら考え,判断し,次の行動を見通しながらより良い行動を模索しつつ,動き始めていることを改めてとらえなおすことができます。

 だからこそ,一人で考え,判断することも価値あることですが,それとともに自ら考え,判断したことを行動を起こす前に,周りの異なる文脈を持っている人達と情報交換し,考え,判断を共有し改善していくことが重要で,大切なのです。