スイッチが入るという表現をすることがあります。ある瞬間から,自分ごとになってやる気を起こして本気で立ち向かうことをたとえにした比喩表現です。
スイッチが入ったら,あとは何も言わなくても何もしてあげなくても本人が自分でどんどん目標達成に向けて,課題解決のためにすべきことを自分で考え判断し行動を起こしていきます。だからこそ,スイッチが入る状況をいかにしてつくるかがとても重要で大切です。
私たち教師の仕事は,子どもたち自身が自分でスイッチを入れることができるような環境構成をすることです。
一般には,そのスイッチが入る要因は,個人に依存することがある一方で集団に依存することがあることが知られています。本人自身のパーソナリティや能力次第でスイッチが入ることもありますが,本人自身のそれによってなかなかスイッチが入らないことが続くような場合には,集団の構成によって本人にスイッチが入ることもあります。最初はあまりやる気が感じられなかったけれども,所属している集団の中でみんなと一緒にやっているうちにだんだんとやる気が出てきたという経験を持っている方も多くおられることと思います。
私たちの心のスイッチは,自分自身のパーソナリティでも入りますが,どのような集団に属しているのかによってもスイッチが入るのです。『学び合い』の考え方は,後者です。集団の力によって一人一人のスイッチの入る環境を構成していくのです。
それが『学び合い』の考え方です。