信濃の国からこんにちは

三崎隆です。私たちは『学び合い』(二重括弧の学び合い)の考え方を大切にしています。

『学び合い』の考え方で

 『学び合い』の考え方に依れば,教育活動の目標やゴールを具体的に活動前に明示します。その教育活動によってどのような資質・能力を修得しなければならないのかを,教師が事前に明確にしておくと同時に子どもたちもその教育活動によってどのような力が付くのか,教師が自分たちに何を求めているのかを明確に理解しておくためです。それが子どもたちの子どもたちによる子どもたちのための主体的・対話的で深い学びを創出します。ですから,『学び合い』ライブ出前授業はもちろんですが,『学び合い』の考え方に共感している教師・子どもたちには当たり前のように求めますし,彼らもそれに応えてくれます。自戒を込めて,しかしながら,事自分のこととなるとなかなか言うは易く行うは難しになるので困ってしまいます。大学での講義も,『学び合い』の考え方に基づいておこなってきましたし,これからもそのつもりです。このたびの新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止と感染予防の徹底のために,在宅勤務によるオンライン授業が始まっています。本学部は100分授業なので,100分もの長時間,コンピュータの前に座って画面とにらめっこして私の話をずっと聞き続けることはなかなか大変な状況となります。本学部のオンライン授業対策チームからも,100分続けては学生も受けるのが大変なので途中で彼らに活動できる時間を取ってくださいと要請されています。実際に始めてみると,やはり『学び合い』の考え方が有効で,全面に押し出すことができる環境構成が一段と強く感じられるようになります。100分の1コマの講義でいったい何を学生に修得させなければならないのか,そのためにはゴールをどのように設定したら良いのか,を明確に示すことになるからです。100分を最初の50分とあとからの50分の2つに分けて,各50分の単位時間の中で何を彼らに身に付けさせるのかそのゴールをどのように設定したら良いのかを工夫するようになります。講義を25分で受講生の活動を25分それを2セット用意すれば,修得すべきゴールが2つできあがります。それをワークシート等に示して事前に彼らにダウンロードさせておきます。この時間に自分が何を得なければならないのかを事前に知り,予習をして講義に臨み,理解し,それが定期試験に出るしくみです。ピンチをチャンスにできるかどうかは自分次第です。