信濃の国からこんにちは

三崎隆です。私たちは『学び合い』(二重括弧の学び合い)の考え方を大切にしています。

折り合い

 協働して行う作業はなかなか難しいものです。私が改めて言うまでもなく,みなさんもよくご存じの通りです。人間が社会の中で生きていくためには必須のことです。誤解を恐れずに語らせてもらえれば,協同して行う作業は相互に協力して行うものなので,役割分担も可能かも知れません。分担された業務を責任を持って果たすことができればそれなりの進捗度は期待できるものではないでしょうか。一方,共同作業となると少し意味合いが異なるのでしょう。力を合わせて業務遂行したり相互に関係し合いながら作業を進めたりするものとして捉えられることが多いので,力関係や上下関係に依存してやりにくさが生じます。忖度という表現も聞かれるようになります。最近の表現を使わせてもらえば,協働となるとより一層難しさが増すような気がしてなりません。目指すところが一つであったとしても,それぞれの主張がありアイディアがあり思い入れやこだわりがあります。それをいかにして調整してより良いものを創り出していくかが問われると難易度は高まります。今の時代はまさに協働作業がより一層求められてきているのかも知れません。それだけにどのようにして相互の折り合いを付けるべきなのかを修得する必要のある時代であるとも換言できます。これからの時代を生き抜く上で,この折り合いをいかにして集団の中で付けることができる資質・能力を身に付けるのかを幼少のころから会得できるのが『学び合い』の考え方です。