信濃の国からこんにちは

三崎隆です。私たちは『学び合い』(二重括弧の学び合い)の考え方を大切にしています。

共に歩む

 昔から,言うは易し行うは難しと言われます。まさにそのとおりです。人を採用するときには,これから何をやりたいかもさることながら,これまでに何をやってきたかを丁寧に聞き出すことが大切であると言われます。言ったことが実行に移されるか否かは保証されませんが,やってきたことは事実として残ります。共に歩もうとよく言われますが,まさに言うは易し行うは難しです。そもそも共に歩むこととはいったいどういうことなのかさえよく分からないときがあるくらいですから,言うこと自体がすでに難しいことなのかもしれません。知っていることを相手に伝えることは簡単ですが,伝えたことを相手にしてもらうこと相手ができるようになってもらうこともっと言えば相手に理解してもらうことはとても難しいことです。

 はじめてのことなら尚更です。共に歩んでいるつもりであっても,実は相当な距離を隔てて先頭を一人で行っていてうしろさえ振り向かない状況に陥っているかもしれません。共に歩んでいるつもりであっても,ただ相手の言動を見つめているだけであってとても共に歩んでいると第三者から見えない状況もあります。どうやったら解決するのか分からない状況下で,どのようにしたら少しでも解決に近づくことができるのかを一緒に,それこそ悩み,迷い,質問し合いながら一歩ずつ前に進んでいく(どこが前なのかも分からず,前に進んでいるつもりでも後ずさりしているだけに陥っている可能性もありますが)ことかもしれません。ほんのわずかでも光が見えると,たった一つのことでさえ解決できれば,大騒ぎしてしまうようです。共に歩むことは,言うは易し行うは難しです。

 不思議なことに,『学び合い』の考え方を受け止めると,それをやることができるようになるのです。相手に押しつけず,卑下せず,かといって相手ばかりを勝手に暴走させず,バランス良く折り合いを付けながら一緒に問題解決に向かっていきます。それも小学校第2学年からできるのですから恐れ入ります(データとして保存されてるのが小学校第2学年ですから実際はもっと低い年齢から可能なのでしょう)。

 それが『学び合い』の考え方です。