信濃の国からこんにちは

三崎隆です。私たちは『学び合い』(二重括弧の学び合い)の考え方を大切にしています。

人が動くのは人に依る

 年度末・年度始めで学校現場では転退職される先生方がいます。それによって多くの先生方が異動されます。若い頃,異動を考えるのは学校に依るか校長に依るかと管理職から問われたことがあります。当時は若気の至りか,自宅からの通勤を考えると学校かなと思っていたものですが,管理職曰く「校長で選んだ方がいい」と薦められたものです。

 異動を考える先生ご自身の種々事情がありますから,一概に結論を出すことは早計でしょう。この歳になると,若い頃に薦めてくださった管理職の言うことがよく分かるようになります。

 人が動くのは人に依るからです。理詰めではなかなか人は動きません。この人ならついていこう,とかこの人のために一肌脱ごう,とか思わせてくれる人がいます。その人のためになら頑張ってみようかと。

 過去の歴史にもそのような状況が多々見受けられます。その人が何を考え,我々をどのような方向に導いてくれようとしているのか,我々に対してどのように接してくれたのか,その人が我々にしてきたことや我々に対して語ってきたことが,我々の心を揺さぶり,行動を生起させるのです。

 学校教育においては,各法,施行令,施行規則の下,文部科学省によって示された学習指導要領等によって教育活動が展開していますから,何をやるのかは示されています。しかし,同じことをやるにしても,担当の教師が子どもたちに対して何を語るのか何をしようとしているのかによって子どもたちの心の揺さぶりや行動の生起に影響を与えることになります。

 換言すれば,子どもたちが行動を起こす,つまり主体的対話的で深い学びを起こすかどうかは教師が何を語るのか教師が子どもたちに何をしてきたのかによって影響が及ぶと言っても過言ではないと考えられます。『学び合い』の考え方では,そこを大切にしています。

 それが,『学び合い』の考え方です。