信濃の国からこんにちは

三崎隆です。私たちは『学び合い』(二重括弧の学び合い)の考え方を大切にしています。

相手の考えを知るには

 相手が考えていることを知るには3つの方法があります。一つはしゃべってもらうこと,一つは書いてもらうこと,一つはパフォーマンスしてもらうことです。ただ,3つめのパフォーマンスしてもらうことに関しては,頷いたり手を挙げたりすることも含まれますが,頷いたり手を挙げたりしたからと言ってその人の考えがそのまま表現されているかどうかを信じるかどうかはあなた次第です。穿った見方をすれば,何も考えていないのに頷くことがあれば,何を考えているのかは分かりません。
 学校の先生が,よく,「分かりましたか?」と子どもたちに尋ねますが,それに対して子どもたちが「はい」と答える場面が見られますが,この場合,子どもたちに「はい」と答えてもらったからと言って,子どもたちが本当に分かったのかどうかは分からないのが実情です。何が分かったのか,しゃべってもらうか,書いてもらうか,パフォーマンスをしてもらうか,のいずれかにしてもらって分かっているかどうかを判断します。
 『学び合い』ライブ出前授業に行くと,ネームプレートを使いますが,ネームプレートによって理解できたと表明したからと行って,授業の最後に行う確認テストでごうかくできるかどうかは別問題です。理解できたとネームプレートで表現したとしても確認テストで合格できない子どもたちもいますから。
 したがって,子どもたちに任せる時間の中でも,子どもたち同士が分からないことを教えてもらったり,分かった(つもりになっているかもしれませんが)ことを教えてあげたりしますが,そのときも,自分が分かったことをしゃべってあげるだけではなく,「分かった?」と聞いて終わりにするだけではなく,「じゃあ,私が聞いてあげるから,分かったことを私に教えて?」と言って,相手にたくさんしゃべってもらうことが重要で,かつ大切ですし,必ず必要なことなのです。一般にはなかなか行われませんが。自分が分かったことを相手に伝えるだけに終わってしまっているからです。
 会話している相手の考えていることを知るためには,しゃべってもらうか,書いてもらうか,パフォーマンスしてもらうか,のいずれかが必要です。