信濃の国からこんにちは

三崎隆です。私たちは『学び合い』(二重括弧の学び合い)の考え方を大切にしています。

我々は文脈の下で学んでいる

 私たちは文脈の下で学んでいます。ですから,文脈が変われば学びも変わり,培われる文化も違ってきます。世界のいろいろな国や地域のことを鑑みれば,容易に理解することができることです。学校現場に目を転じると同じことが言えます。A先生の下で学んだ集団の子どもたちはA先生の文脈で学びが進みますから,その文化が創られます。一方,B先生の下で学んだ集団の子どもたちはB先生の考えに基づく文化が創られます。クラス替えでA先生の文化で育った子どもたちがB先生の文化の集団に入ったら戸惑うことは容易に想像できます。「A先生のときはこうだったのに...」というのはクラス替え初期の頃によく見られることです。
 それだけに,どのような文脈の下で学びが生起し充実し発展していくのかはとても重要で大切と言えます。ある文脈の下で理解できないあるいは対応できない子どもたちはその文脈と異なる文脈での学びのできる環境構成を整えてあげることによって理解や対応が変わってきますから,より良く促される可能性が秘められています。教育の魅力でもあり難しさでもあります。子どもたちの学ぶ文脈を変えてあげることもかれらの学びを促す一つの方途なのではないでしょうか。