信濃の国からこんにちは

三崎隆です。私たちは『学び合い』(二重括弧の学び合い)の考え方を大切にしています。

苦手な教科等

 あなたの専門は?と聞かれて,今,一番最初に答えるのは「理科教育学です」です。『学び合い』教育学ですと答えても,学術領域として確立されているものではないので相手は聞いてもちんぷんかんぷんでしょうから,理科教育学と答えるのが無難で,相手も納得顔になってくれます。
 『学び合い』ライブ出前授業の要請があって,理科以外の教科の授業を要請されたとき,たとえば国語とか,必ず聞かれることがあります。なんで理科の先生が国語ができるんですか?なぜ理科の先生が国語をするんですか?,と。答えは簡単です。『学び合い』の考え方という理念を持っているからです。どの教科等であったとしても,理念は同じですから。得手不得手は感じません。不得手な教科等の方が「先生には分からないなあ」と言いやすいので,子どもたちを信じて任せることができやすいのではないかと思っているところです。
 『学び合い』の考え方を持っていない方にとっては,不得手な教科等の授業を実践することは躊躇されるのではないかと経験上,推測しています。理科の場合は,まず避けられますから。理科室に鍵をかけたままであったり教科書を読んで終わっているだけであったり,と私の視察の経験が教えてくれます。
 実験をやったことがない(塩酸なんか触ったこともない),子どもたちに実験させてもうまくいかない,準備と後片付けが大変だ,子どもたちから理科の知らないことを聞かれると困る,等々が吹き出しています。だから,理科は苦手でやりたくない,と結論づけられるのではないでしょうか。
 先日,大学で私の担当する理科の授業に,「理科が苦手なので選びました」という受講生のみなさまがいました。びっくりです。ここまで見てきたように,苦手な教科等は一般的に避けたいのが心理であろうと思われます。理科が専門でない方々にとっては,なおさらのことです。それを,敢えて苦手な教科等を選んで果敢にも挑戦し,自分自身の力量が高めたいという思いを感じさせるのですから,感心します。一生懸命に学んでいます。彼らから,苦手なことにも逃げずに挑戦しなさい,と教えてもらっています。
 あなたには,苦手な教科等がありますか?