信濃の国からこんにちは

三崎隆です。私たちは『学び合い』(二重括弧の学び合い)の考え方を大切にしています。

みなさまのご要望にすべて応えています

 出前授業というと,一般的には,大学等の専門機関の教員等が,小学校や中学校等の教育機関等に出かけていって授業等をすることを表して言う表現であると思われます。その際,出前授業の内容は,大学等の専門機関の教員等の専門となる分野や領域等を披露するものであって,聞き手となる受ける側の教育機関の要望等はまず聞き入れられることはありません。その教員等の専門とする分野や領域の中の,”ここ”について話してくださいという要望はあるでしょうか,聞き手となる受ける側の”ここ”を話してくださいと言われることはありません。そうなったら,まず断られることでしょう。「私の専門ではないので」と。
 私の行っている出前授業はそうではありません。全面的に,聞き手となる受ける側の教育機関等のみなさまの要望等を実現できるように実施します。その点が,一般に出前授業という表現で言い表される教育活動と異なる特徴的な点であると言えます。ちょっと特殊な出前授業なのです。
 したがって,いろいろなご要望をお引き受けしてお応えしています。ですから,これまで231回の出前授業を行ってきましたが,一度もやったことのない内容の要望が届くと戸惑います。初めてのことですから。初めて『学び合い』の考え方を使って授業をされようとしているみなさまと同じ気持ちになることができて嬉しく思うところです。困ったなあ,どうしよう,から始まります。
 そんなときに一番最初に考える,検討することは,ゴールをどうしようか,です。今流に言わせてもらえれば,ミッションでしょうか。単位時間の最後に,子どもたちがどうなっていたら良しにしたら良いのかを考えるのです。それさえ決まれば,いわゆる課題(目標,めあて,ねらい)は決まります。ゴールにダイレクトに結びつけてもらえるような表現にすれば良いのですから,それほど難しいことはありません。いちばん難しいのは,ゴールをどうするか,です。
 その意味においては,ちょっと演繹的かもしれませんから,帰納的な展開に慣れ親しんでいる今の日本の学校教育の授業を行っているみなさまには少しやりづらいのかもしれません。