信濃の国からこんにちは

三崎隆です。私たちは『学び合い』(二重括弧の学び合い)の考え方を大切にしています。

仮分数を帯分数に

 先日おじゃました学校での子どもたちの学びの中から,分からないことを真摯に考える尊い場面があったことがとても印象的でした。算数の授業で,なぜ3分の4が1と3分の1になるのか,その理由が分からないのです。なかなか難題です。分子を3と1に分けて分母とバランスを取ることによって,3分の3が1になるからなのですが,そんなことを教科書的に語っても分からなさは解決しません。
 隣におられた数学ご専門の指導主事に尋ねたところ,具体物を使うことではないかという意見が一致しました。私なら,カステラを持ち出しますが,みなさまならどのようにされますか?
 リンゴはだめでカステラでないとダメです。リンゴは分けるのに一苦労しますが,切り込みの入ってないカステラなら,自由に等分することが可能だからです。でも,子どもたちに切り込みのないカステラ(いわゆる1号カステラ)が通じるかなあと一抹の不安があります。
 「1」に当たる量を3等分した量が3分の1なので,3分の4という量はそれが4つある状態です。「1」に当たる量を3等分した量が3分の1なので,それが3つ集まるとちょうど「1」になります。そんなことは当たり前だと言われそうですが,でも,分からない子には分からない難しさです。だから,3分の4は,3分の1が3つ集まった「1」に当たる量と残りの3分の1の量が一つなので,1と3分の1になるのですが...。
 分からない子にとっては,これではダメでしょうか?
 大人でも,なぜ仮分数が帯分数に直せるのかを考え始めると,勉強になります。そう考えれば,分からない子が「なんでそうなるの?」と一声かけることが,分かった子(分かったつもりになっている子)にとっては学び直しが始まります。分からない子に教えてもらっているのです。