信濃の国からこんにちは

三崎隆です。私たちは『学び合い』(二重括弧の学び合い)の考え方を大切にしています。

文化づくり

 昨年度から,自由進度学習に触れる機会が何度かあります。いずれも,子どもたちのためになんとか授業改善を図りたいという必然的な願いからのものです。それまでの一斉授業からなんとか子どもたちの主体的な学びを引き出したい試みとして挑戦していることを応援します。
 そのような中,自由進度学習なので自らのペースで自由に学んでいきますから,自分のペースに応じて分かるまでじっくりと構えて取り組んでいくことができ,充実した学びを得ることができる点が利点です。分からなければ,何度でも同じところを学び直すことができます。
 その一方で,毎時間,クラスの友達のペースについていくことができずに遅れてしまっていることがつらいと言う子どもたちがいます。こんな声を聞くと,私自身もつらいです。
 一事例なので早急な結論づけは避けなければなりませんが,教師が「子どもたちのために」とやっていることが,実は「得意な子どもたちのために」であって,「すべての子どもたちのために」ではない気がします。一部の子どもたちには教育効果をもたらしますが,すべての子どもたちに効果を発揮するわけではありません。子どもたちのためにと思ってやっている教師の試みは単に教師の思い込みに過ぎず,結果的に子どもたちのためになっていないんじゃないかと思ってしまいます。
 自分のペースで自由に学んでいくことが認められているのですから,周りの子どもたちがその子どもたちをも助けながら,一緒に学んでいくことができる文化を創り上げてあげられるといいなあと思うところです。