信濃の国からこんにちは

三崎隆です。私たちは『学び合い』(二重括弧の学び合い)の考え方を大切にしています。

事実を目の前で

 理科は第一に,事実を目の前で確認してそれを基に考察する教科です。事実をその場で示すのが理科であるとも換言できるでしょう。だからこそ,観察,実験が必要となるわけです。事実を目の前で示したからと言って,それが理科の内容の理解につながるかと言えばそうではないことが実証されてはいますが,それでも理科という教科の特性上,事実を示すことは避けては通れないものです。
 目の前で起こる自然現象でなければ,それが事実であるかどうかは自分では確認できないことも事実です。たとえ,教科書に掲載されているからと言って,それが果たして事実であるかどうかは自ら確かめてみなければ事実であるかどうかは分かりません。ですから,教科書に掲載されていたりWeb(報道機関)で公開されていたりする現象(画像や映像,動画等)は,事実であろうと信じているに過ぎません。ネス湖の話題は記憶に新しいです。「それが事実であるとするならば...」という表現は良く耳にします。
 目の前で起こっている事象は,紛れもない事実なのですからその事実を受け入れるしかありません。それがたとえ,教科書に載っている事実と異なっていたとしても,です。したがって,その事実がなぜ起こったのかを考えるのです。どのような条件の設定の下でその事実が事象として現れたのかを考えます。その事実を使って当初の疑問の解決を図るのです。それが理科です。教科書に載っている事実と,今目の前で起こっている事実と,どちらがそのときに我々が求めている事実なのかは,条件を吟味してみなければ分からないのです。