信濃の国からこんにちは

三崎隆です。私たちは『学び合い』(二重括弧の学び合い)の考え方を大切にしています。

根を張る

 樹木が地球の1Gの重力に逆らって太陽の光をより多く浴びることができるように上に伸びようとする場合,重心とのバランスをとって倒れないように様々な工夫を施しています。その一つが,根です。特に,樹高が数10mに達しようかという大木の場合,広げた枝の幅よりもさらに広く根が地面下に伸びていないとなりません。そうしないと,重心とのバランスが崩れて倒れてしまうからです。ときには,アスファルトを突き破って地上に現れるほどの根の張り方です。我々の生活を優先して根を切断することもありますが,樹木にとってはいい迷惑でしょう。
 根を張るという言葉があります。語源となる樹木の根は,まさに我々の目に触れないところで,地上の茎と枝と葉を支えています。実は,目に見えない部分の方が,実際に見えている部分よりも広く深く広がっているのですが,そんな目に見えないことはまったく知りません。根が十分に広く深くないと樹木自体の存在が危ぶまれるのです。先の言葉に立ち返れば,目に見えないところをしっかり築いておかないと目に見えるところはあっという間に崩れ去ることを教えてくれているようです。