信濃の国からこんにちは

三崎隆です。私たちは『学び合い』(二重括弧の学び合い)の考え方を大切にしています。

バードウオッチング

 バードウオッチングという鳥類観察の活動があります。一般には,樹木の生い茂る山林に移動し,樹木の枝に止まっているさまざまな鳥類の生態を双眼鏡等を使って観察している活動のことを指して使われる表現として知らせています。時には,カメラ等で特徴的な生態を記録に残すこともあるでしょう。私などは,フィールド調査に行って樹木をいくら眺めても,バイアスが限りなくゼロに近いので,さえずってくれない限り,どこにいるのかさえ見つけることができない素人です。さえずっていたとしても,星の数ほど見える葉々の間から,求める鳥を見つけ出すことさえ難儀です。
 私の研究室は,3階にあり研究室の南側の窓の外には5階まで伸びている高木の樹木が生い茂っています。誰も知らない人が窓から見える景色だけを見たならば,森林の中の一室にしか見えません。「軽井沢にいるみたいだ」は言い得て妙です。
 先日,窓の一番近くの(ほんの数十cm)の枝にオナガが2羽止まっているのを観察することができました。まさに,バードウオッチングです。ちょうど,どこから給餌してきたのでしょう,くちばしに餌をくわえていてまさに飲み込み瞬間でした。双眼鏡など全く必要なく,肉眼で彼らの生態をじーっと観察することができるようなベターなシチュエーションです。さえずっていてもいなくても観察できるから幸運です。しばし,観察活動に集中できた幸せな瞬間でした。
 すべての鳥類をこの窓から観察できているわけではないので,早急な結論づけはできませんが,私の観察した鳥類は餌をくちばしにくわえたまま,私の見ている窓外の目の前の枝に移動してきて,そこで身の危険が及ばないことを確認した(?)上で,くちばしにくわえた餌を飲み込む動作をしているようです。彼らにとっては当たり前のことなのかもしれませんが,教科書には書いてない発見がそこにあります。日々,深い学びが生起します。