鳥はさえずりながらお互いに会話をしているというのはよく知られていることです。よく聞いてみると,さまざまな音程とリズムそして強弱をつけながらさえずりあっていることを観察することができます。さえずりあっているので,バードウオッチングにて耳を澄ませてみると,1羽だけが一方的にさえずっているわけではないことを知ることができます。鳥のさえずりに文法があるそうですから,見事なものです。
鳥のさえずり合いに感嘆している我々はどうなのかと考え込んでしまいます。果たして,自分の考えを一方的にしゃべっているだけで終わってしまってはいないでしょうか。誰からのさえずりに安易に合意してはいないでしょうか。あるいは,相手のことなどまったく関知せず自分のいいたいことだけをしゃべってはいないでしょうか。一人リフレクションをしてみます。
自分の考えを相手に対して誤解なく伝えたり,相手の考えを誤解なく理解したりすることがとても難しいことを十分に理解した上で,豊かな表現力を持っている上に各種意見交換の場と機会を得ているのですから,豊かな会話をしたいと,鳥のさえずりを聞きながら思います。