信濃の国からこんにちは

三崎隆です。私たちは『学び合い』(二重括弧の学び合い)の考え方を大切にしています。

人間の耳の凄さ

 昨日,目の凄さを書きましたが,耳も凄さも目に劣りません。対面の場合には,音源の方向と距離をほぼ正確にキャッチしてくれます。モニターはマイクで集音しますから,性能の良いマイクであっても人間の耳にはなかなか追いつけないのではないかと思うところです。ICレコーダで拾ってくる子どもたちの音声を再生していても,何回聞いても聞き取れないフレーズがどうしても現れます。ところが,実際にその場で聞いていると,余程のことがない限り,聞き分けることができるから不思議です。
 対面ですと,小さな音も口ごもった感覚も良く伝わってきます。耳を澄ませば,という表現を良く聞くことがありますが,すぐ近くの音声を拾っていたとしても,遠くの小さな音声も拾うことができています。何気なく拾っている遠くの音声に,耳を澄ませばとても大切な内容が含まれていることに気づくかもしれません。近くの音を聞きながら遠くの小さな音も聞き逃さないほど集音性の高いのが人間の耳です。
 学び上手の子どもたちは,そんな近くの音と遠くの音を上手に拾ってきて,自分の学びに結びつけているから驚きます。モニターでも良いのですが,マイク近くの音しか良く聞き取れないので周りの子どもたちがどんな話をしているのかは分からずに,ほぼマイク近くの子どもたちの音声しかわかりません。その意味でも耳の凄さが分かります。普段,何気なく過ごしている毎日の中で,私たちの耳はなくてはならない器官の一つです。教室での学びにはとても大切です。