信濃の国からこんにちは

三崎隆です。私たちは『学び合い』(二重括弧の学び合い)の考え方を大切にしています。

違っていて当たり前の尊さを褒めている

 私の講義を受講してくださる学生のみなさんから,「どの意見も大げさなほど褒めてくださるのが印象的でした」と言われることがあります。自分では大げさにしているつもりはないのですが,学生のみなさんにはそのように受け止められるのでしょうか。
 講義の後半には,グループ・ワークをしてもらい,彼らの考え判断を聞かせてもらっています。わずか15分ほどしかとれず,ときには10分になってしまうこともありますから,そのわずかな時間の中で,学生のみなさんが自分の考え判断を語り合うことはなかなか難しいのかもしれません。
 教壇に立ったことのない学生のみなさんの考え判断を聞かせてもらうと,へえーっ,ほおーっ,なるほどねえ,という考え判断が随所に見つかります。そのたびに彼らから学ばせてもらっています。私自身の受け止めとは異なる視点から斬新的に切り込んだ分析によって得られる自らの考え判断を語ってくれますから,新鮮です。
 同じ情報であったとしても,その捉え方はみんな違っていて当たり前なのです。違っていて当たり前であるからこそ,学びが生起します。違っていて当たり前の尊さを褒めている分だけ大げさに聞こえているのかもしれません。