信濃の国からこんにちは

三崎隆です。私たちは『学び合い』(二重括弧の学び合い)の考え方を大切にしています。

事実と考察の難しさ

 事実と考察を分けることは難しいです。大人になっても,なかなか難しさは解消できず,冷静になって考えないと分けることができないときがあります。「それって,事実?」と思うことがあるから不思議です。経験上,だいたいは,考察を事実と思い込んでいることが多いような気がします。
 二酸化炭素を調べようという教育活動を見ることがあります。二酸化炭素って,調べられるの?と疑問を感じます。調べるのは,二酸化炭素ではなく,石灰水に気体を通してどのような変化が現れることではないのでしょうか?今,小学校第6学年の理科では,気体検知管を使うことが多いようです。そうであるとするならば,調べるのは,気体検知管の目盛りの変化(動き)ではないのでしょうか?
 石灰水なり気体検知管で調べた結果,何が言えるのかを考えて,二酸化炭素を議論するのでしょう。二酸化炭素は調べるものではなく,石灰水や気体検知管での変化の事実を使って考えるものです。理科で事実と言えば,数値で表されます。ただし,小学校の理科では定性的な観察,実験が多いので定性的な事実(大きい,小さい等,石灰水の場合は白く濁った)をも受け入れています。