信濃の国からこんにちは

三崎隆です。私たちは『学び合い』(二重括弧の学び合い)の考え方を大切にしています。

わいわいがやがやの下で育つスキル

 私たちの目はとてもよくできています。顔の前に2つついていますから,右目と左目の微妙な映像の違いによって前方の遠近感を捉えることができますが,それだけでなく,前方およそ150度くらいまでは周囲を見ることが可能です。遠近感までは無理でしょうが,どのようなことが起きているのかは視野に入ります。動きがあれば,そちらを見ることで遠近感も把握できます。
 私たちの耳も優秀です。生活音と呼ばれるくらい,自分の周りの日常生活の音を拾ってくれます。どのような音も拾いますが,必要感に応じて取捨選択するから見事な機能付きです。
 周りの友だちがどのような動きをしているのかは見るとはなしに網膜に写りますから認知できます。周りの友だちがどんなことをしゃべっているのかは聞くと話に鼓膜がキャッチしてくれますから,認知できます。それらの映像や音声の中から,必要に応じて有用な情報を拾い出すことができる素敵な機能付きです。
 学び上手な子どもたちは,それらの雑多な映像と音声の中から,目標達成に必要なものだけを拾い出して活用することに長けています。「ねえねえ,あそこであんなことやっているよ」,「ねえ,向こうで面白いことを言ってるよ」という情報発信もできます。そうか,そんな情報の使い方ができるのか,という経験を教えてもらえます。
 上手に折り合いをつけることができるスキルはそんなわいわいがやがやの下で,育ちます。