信濃の国からこんにちは

三崎隆です。私たちは『学び合い』(二重括弧の学び合い)の考え方を大切にしています。

位置が分からないほどの

 私たちの目は顔の前に2つ付いています。右目と左目で見ることのできる映像が若干異なることによって見える物体との距離感を把握できる良さがあります。耳も同じです。右耳で聞こえる音の向きと左耳で聞こえる音の向きに微妙ながら若干の差異が生じますから,その違いを基にして音源の向きをある程度特定できる良さを持っています。
 仕事を終えてキャンパスからの帰り道には壮大な草原とまでは言えませんが,豊かな草むらが存在します。今,信号待ちのために止まっていると,その草むらからおそらく星の数ほどのバッタ等なのでしょう,虫の音の大合唱が聞こえてきます。右耳にも左耳にもキーンと響き渡る,つんざくような音で鳴いているのです。夏のセミと違って秋の虫の音はリズムがないように思います。ですから,耳に際限なく響き渡ります。あまりにも両耳に響き渡るが為に,どこから聞こえてきているのか音源を特定することができないほどです。数匹の鳴き声であれば,鳴き声の場所を探し当てることができるのでしょうが,あまりにも数が多いが為に特定できないほどの大音量なのです。秋です。
 秋の深まりを耳で感じるクロスモーダル現象です。