信濃の国からこんにちは

三崎隆です。私たちは『学び合い』(二重括弧の学び合い)の考え方を大切にしています。

困ったときに誰に相談する?

 あなたは困ったときに誰に相談しますか?今はいろいろなところに相談窓口が設置されていて24時間体制で対応できるように環境が整っているので,何か困ったときにはいつでも相談できるおうになっていて良い時代です。それでも,相談すると言うことは,自分の非力を公にする側面があったり自分の弱さを示して教えを請うたりすることになるので,馬鹿にされたり卑下されたり,最近では風評被害という表現をよく聞くようになりましたが,ブーメランのようにあとから自分に倍になって戻ってくる気がして,なかなかハードルが高い物です。どんなことでもいつでも相談して良いですよ,と言われてもなかなか相談できない物です。
 ですから,相談する第一歩を踏み出すと言うことは勇気の要ることです。どうしても相談しなければならなくなって差し迫ってようやく誰かに相談しようとなります。差し迫った状況に追い込まれなければ,できれば誰にも聞かれたくないと思うのは誰しも思うところです。聞かれたくないようなことを話すわけですから,誰に相談したら良いかは考えます。やはり,聞かれたくないようなことを話し手も,馬鹿にしたり卑下したりしない上に,秘密を守ってくれて,誰にも簡単には内容を漏らさない信用のおける人に相談することでしょう。
 学校現場の教科の授業においても同じことです。分からなくて困ったときに,子どもたちは誰に相談するでしょう。あなたが小学校,中学校時代にはだれに相談しましたか?自分が相談する内容を,馬鹿にしたり卑下したりしないで相談に乗ってくれる人に相談するのではないでしょうか。40人クラスで,そんな人が39人いたら理想的です。もちろん,自分が相談されたらそんな人になっていたいので,そうなるとそんな人が40人になります。自分以外の39人の人がどの教科が得意でどの教科が苦手で,どの教科のどんな内容のどんなところで分からなくなりそうなのかをおもんばかってくれる集団であれば嬉しいです。そんな集団でずっと学んでみたいと思うところです。『学び合い』の考え方を共有している集団はそんな集団です。いつでもだれにでもどんなことでも何度でも,迷わずに相談できます。