信濃の国からこんにちは

三崎隆です。私たちは『学び合い』(二重括弧の学び合い)の考え方を大切にしています。

分からなくなったらそのときに

 対面で授業をしていると,授業を聞いてくれている受講生がおしゃべりを始めることがあります。基本的に全体が静かな状況であればあるほど,その音声が気になり始めます。挙げ句の果てには,「静かにしてください」と注意することになるかも知れません。

 しかし,です。そのおしゃべりがどのような内容を含んでいるのかは,把握せずに注意することが多いものです。そのおしゃべりは,こちらの講義内容に対して,よく分からないことが生じていて,それを周りの同僚たちに尋ねている,いわゆるローカル会話であるのかもしれません。

 学生に聞いてみると,「今のオンライン授業では質問することができないので困る」という回答が返ってきます。確かに,なるほど,と思います。私も思い当たる節があるからです。

 分からなくなったら,そのときに質問したいものですし,そのときに解決したい衝動に駆られます。「今の学部長の話って,何?」と。もちろん,講義が終わってから質問すれば良いのかも知れませんが,時間が経てば経つほど,そのときのいわゆる旬の”分からなさ”が新鮮さを欠いていってしまって,やがては解決しようとすることをあきらめてしまうようになります。「何を質問しようとしていたのか忘れた」となりかねません。

 やはり,分からないことは,そのときにその場で解決したいものですし,解決に至らせてあげたいものです。本来,それが意欲を喚起させることに直結するからです。