一般的に，我々は，自分で考えていることと判断すること，そしてそれを踏まえて行動することが一致しないことがあることが知られています。たとえば，ある行動を起こさなければならないと考え，その行動を起こすことが必要であると判断したとしても，具体的にその行動を実際に起こすかどうかは分からないと言えます。
以前から，道徳教育においては，道徳的な心情と道徳的な判断力は道徳の時間を中心にして育て，道徳的実践力を学校教育全体で育てることが求められてきています。道徳の時間で育った道徳的な心情と道徳的な判断力が，具体的に道徳的実践力として行動に表れるかどうかを学校教育全体できめ細やかに見ていかなければならないわけです。
先行研究に依れば，それらの現況は社会的な状況が解決してくれることが知られています。社会的な状況によって個人の行動が依存することを示唆しています。社会的な文脈をいかに創り出していくことができるか否かが，行動を決める要因の一つとなっています。我々の行動は社会的な文脈に依存しています。
