信濃の国からこんにちは

三崎隆です。私たちは『学び合い』(二重括弧の学び合い)の考え方を大切にしています。

伝わらない表現

 出前授業の教訓は星の数ほどあります。先日も,大人の表現なら確実に伝わるのに,同じ表現が子どもたちには伝わらないんだなあ,ということを実感して帰ってきました。また一つ教訓の引き出しに入れることになります。その表現が,「どのようにして調べたらよいですか?」の「どのように」です。みなさまなら,どのようにして調べたら良いですか?と問われたらなんと答えますか?
 こちらが期待するのは,具体的に何を使って何と何(と何と何と...)をくっつけて,あるいはつなげて,あるいは組み合わせて,あるいはつなぎ合わせて,あるいはテーブルの上に置いて,最初に何をして次に何をして次に何をして...,最後に何をしたらよいですか?くらいの意味を込めているのです。大人でしたら,その辺りはそれこそ,忖度してくれてこちらの期待通りの回答を導き出してくれるのではないでしょうか?
 教科書にも同じ表現がなされているのですが,それは教科書をつくる大学の人間が大人だから,当たり前のようにして”どのようにして”と言えば,当然それを読んだ相手は教科書の作り手の期待する回答を導き出すであろうと勝手に思って作っているからです。それを読む子どもたちには,「どのように」が伝わりません。伝わらないというよりも,誤解されて伝わってしまう,という方がそれこそ適切な表現です。課題は誤解されない表現に,と過去に何度もここでも書いて出前授業でもお伝えしてきているのですが,自分のこととなるとどうも猪突猛進のようで見えなくなってしまっていました。自戒です。「どのように」は子どもたちに誤解される表現であると教訓です。