信濃の国からこんにちは

三崎隆です。私たちは『学び合い』(二重括弧の学び合い)の考え方を大切にしています。

相手を尊重することから

 あるとき,ヨーロッパのある小さな国のことが話題になりました。その国のはじめは4世紀に遡るほど歴史が長く,ずっと独立してきた国として知られています。その国は,相手を尊重することを大切にしているのだそうです。相手を尊重する教育が小さいときから成されているとか。素晴らしいことであると思います。日本のように海で囲まれているわけではない激動のヨーロッパの中でずっと独立を保ってきたのですから,そのあたりに秘訣がありそうです。
 私も,現職の方とどうやって共同研究されるんですかとよく聞かれます。そのこつは,まず現職の方の実践を尊重することから始めます。いみじくも相通ずるところがあるのかなあと思うところです。『学び合い』の考え方の相互承認観もそこから育まれるものです。
 私なりに言わせてもらえれば,相手を尊重する第一のステップは,相手の良さを見つけることです。現職の方の実践に限って言えば,その実践の良いところを探すことです。必ずあります。我々は,良いところを探す前にだめなところや改善すべきところをまず探します。発想の転換です。ダメなところを探す前に,まず良いところを探しましょう。それも,1つだけなんて言わずに,探せばたくさん見つかるものです。その気になって探していないだけのことですから。
 最初は,言うは易し行うは難しですので,なかなか難しいですが,それを繰り返しているうちに,良さがたくさん見えるようになってきます。そうなると,自分もその良さに近づこうとしますから,自分を磨くことができるようになります。さあ,ご一緒に,相手を尊重することから始めてみませんか?