信濃の国からこんにちは

三崎隆です。私たちは『学び合い』(二重括弧の学び合い)の考え方を大切にしています。

『学び合い』はできた子ができない子にアウトプットしてもらう授業

 学び合いは,できた子ができていない子に教えてあげることだと言われます。つまり,学び合いの授業はできた子ができない子に教える授業です。いわゆる”教え合う授業”と言えます。
 一方で,『学び合い』の考え方は,できた子ができない子にしゃべってもらう(考えてもらう)授業です。できた子ができない子にアウトプットしてもらう授業なのです。そのために,できていない子と”一緒にやろう”とするのです。一緒にやらなければ,できない子はしゃべらせてもらう場と機会がありませんしアウトプットできません。いわゆる”相手の話を聞く(アウトプットしてもらう)授業”です。決定的な違いがそこに存在します。
 学び合い=教え合う授業
 『学び合い』=相手の話を聞く(相手にアウトプットしてもらう)授業
 つまり,『学び合い』では,できた子はできない子の聞き役に徹するわけです。この点は,学び合いとの大きな違いです。
 換言すれば,『学び合い』は,できない子にアウトプットしてもらう授業です。できない子にいつまでも教えているようでは,いつまで経ってもできない子はできないままで終わってしまいます。
 ある都道府県のある小学校の第2学年算数の授業での会話の一部をご紹介します。
 めあては,「テープの図をかき,その図を使ってしきと答えをもとめよう。『みかんが15こあります。何こか買ってきたので,ぜんぶで32こになりました。買ってきたみかんは何こですか?』」
D:「一緒に考えよう。」
D:「全部の数がこれでよかったん?で,全部の数と,あとね,何が分かるか。さっき,さっき,Hさんがいったこと。一つはね。」
C:「15個あります。何個か買ってきたので,全部で23個になりましただろ?」
D:「まず,最初はみかんが何個あった?」
C:「えーっと,15個?」
D:「で,で,まず最初の数は,15個。」
C:「うん。」(中略)
D:「これはさあ,引き算?引き算?足し算?」