信濃の国からこんにちは

三崎隆です。私たちは『学び合い』(二重括弧の学び合い)の考え方を大切にしています。

学びの始まり

 プログラミング教育の授業を見る機会がありました。本学部附属松本小学校では,児童のみなさんが新教科技術でプログラミングに取り組んでいます。目を見張る限りです。プログラミングでは,「なぜ,できないんだろう?」から学びが始まります。自分がプログラミングしたものを実行したときに,自分の期待する実行が展開しないときに感じることです。なぜ,うまく動かないんだろう?,と。彼らはそこから学び始めます。
 このことは,何もプログラミングに限ることではありません。毎日の学校教育における授業の場でも起きることです。なぜこうなるんだろう,なぜまちがったんだろう,なぜあそこはあのようになるんだろう,と。たとえば理科で言えば,なぜ飛行機は空を飛ぶんだろう,と。私たちの身の周りには,なぜ?と思える不思議がいっぱいです。授業でもそうです。なぜ?という不思議がいっぱいであふれています。小さい時のことを思い出してもらえれば,あなたも思い出してもらえるのではないでしょうか。
 ところが,いつの間にか,そのなぜ?という不思議が消え去ってしまいます。いつごろから消えてしまっているのでしょうか。おそらく,小学校入学後,学校教育における各授業を受け始めてみると,純粋に抱いているなぜ?という不思議や疑問が,解決できないまま終わってしまって,その経験の積み重ねのうちにやがてなぜ?を抱く行為をしなくなっているのではないでしょうか。私たちは,子どもたちが授業で抱く,なぜ?を大切にしてあげたい物です。そこから,彼らの学びが始まるからです。