信濃の国からこんにちは

三崎隆です。私たちは『学び合い』(二重括弧の学び合い)の考え方を大切にしています。

学習前後の調査

 学習による学習者の変容を調査する場合には,一般的に学習の前後で調査します。調査に使うものはいわゆる試験と呼ばれる問題解答方式の物もあれば,いわゆるアンケート調査と呼ばれる質問紙方式のものもあります。アンケート調査と一口で言っても,名義尺度,順序尺度,間隔尺度,まれに比例尺度もありますが,の尺度によって質問紙の中身が変わってきますから,さまざまです。
 しかしながら,調査研究を行うことを考えた場合には,学習の前後で採用する内容は同一にそろえます。前後で比較するためです。語尾を変えることはありますが,内容は同じです。内容を変えてしまったら,比較することができないからです。経験上,学校現場ではこの前後で同じ調査を行うことに対して否定的な雰囲気があります。学習したのだから学習後には力が付いているはずだから,同じ内容の調査をしても意味がないというのが一つ目の理由です。二つ目の理由は,学習前にこれから行う学習の内容に関して事前に調査したら彼らに予備知識を持たせてしまうのでよろしくないというものです。いずれも当てはまらないのですが,学校現場にいるみなさんにとってはなかなか理解してもらえないことです。
 昨日の学部3年生の講義でこの話題になって,自分たちの卒論のときにどうしたらよいのかという議論になりました。自分ごととしてとらえてくれていることを嬉しく思いました。私たちが卒論に取り組むときには万全の準備をして臨みます。安心してもらえるよう,共に汗します。