信濃の国からこんにちは

三崎隆です。私たちは『学び合い』(二重括弧の学び合い)の考え方を大切にしています。

目的と目標の共有

 我々は行動を起こすときには目的と目標を設定します。たとえば,散歩に出るときでも気分転換のためとか健康のためとか意識するかしないかにかかわらず設定しています。あそこまで歩こうとか1万歩にしようとか意識の有無にかかわらず目標をつくります。

 設定の仕方にも依りますので,一概には言い切れないとは思いますが,目的は目指すもの,目標は達成するものです。

 集団とは言わないまでも,複数で行動を起こす場合にはその目的と目標を共有することはなかなか難しいことです。ミッションとして与えられるのであれば,共有せざるを得ないのかもしれませんが,親子で行動するような場合には特定の方の目的と目標が優先されることが多くあります。自戒を込めて。

 特定の方の優先されたそれの場合には,追随するみなさんは目的と目標を見失うことになります。そうなると,行動を共にしてはいますが時間と空間を共有しているだけで,そのみなさんにとっての意味ある行動になっているかどうかは検討が必要になります。

 学校現場の各教科等の授業の場合,往々にしてそれが起きてしまいます。教師の目的と目標が優先されるあまり,子どもたちと共有されないことによって子どもたちの学びが形骸化してしまうことが懸念されるのです。今日の授業の単位時間の目的と目標をいかにして子どもたちと共有できるのかが,子どもたちにとって意味ある学びにできるかどうかに影響を及ぼしています。

 万が一,教師のそれと子どもたちのそれがズレているとしたら,子どもたちは子どもたちで自分たちの目的を目指して目標の達成に向かうことになり,大変な事態になることは想像に難くありません。目的と目標を共有化することがいかに大切かが分かります。