信濃の国からこんにちは

三崎隆です。私たちは『学び合い』(二重括弧の学び合い)の考え方を大切にしています。

視点を持つ

 文章をチェックするときには,その文章を読むに当たっての一定の視点を持っている必要があります。いわゆる,必要なバイアスをかけて読まなければどこをどのように修正しなければならないのかが分かりません。修正するポイントがあるので,それに基づいて文章を読み進めることが大切になってきます。
 感想を述べる機会をもらうことがありますが,同じことです。よかったです,とは誰でも言えるのですが,どこが良かったのか,なぜ良かったのか,を適切に指摘してあげることが肝要です。
 ゼロから文章を作るときも同じことが言えます。起承転結という言葉はよく聞くことですが,基本的な文章構成の手順ではないでしょうか。論文を書くときも,問題解決の流れのように,一般的な書き方があって,書いてほしいことを書いてほしい順番に書いていかなければ,読み手に必要なことがなかなか伝わらなくて苦労します。自分だけ分かっていても,それが読み手に伝わらなければ仕方がないものです。
 その意味においては,文章を書くときや文章を点検するときには,その分野なりジャンルなりの過去の文章をたくさん読むことが大切になってきます。作家の方が,幼少の頃から本をたくさん読んできたという話はよく聞きますが,さもありなんと思います。その分野の文章をたくさん読むことによって,いわゆる目が肥えてきて文章作成,校正には何が必要でどのような観点から進めていけば良いのかが分かるようになってきます。知らず知らずのうちに,視点を持つようになりコツを会得します。

 

 次の出前授業も同期型オンラインです。次の出前授業は中学校第1学年理科の単元「光による現象」(全8単位時間の第2時)です。教科書は未来へひろがるサイエンス1です。送ってもらった資料から本時の目標を「全員が,光がものに当たったときにどのような進み方をするのかについて,実験1の結果から明らかになったことを使って,クラスのみんなによく分かってもらえるように分かりやすく,自分の言葉で説明することができる(知識及び技能)。」としました。
 ①どのような評価をするのか(何も見ないで誰にも聞かないでまとめること),②評価規準(確認テストができること),③いつ評価するのか(授業の最後の10分(授業の時には「◎時◎分」と板書します)になったら始めること)は,活動する前に子どもたちに明示します。誤解されないように言わせてもらえば,『学び合い』ですから,確認テストをしなければ『学び合い』ではないということではありません。

 

白亜紀から新種の恐竜足跡化石

 新種の恐竜の化石にサッカー選手の名前がついた(Iniestapodus burgensis)という報道がありました。スペイン国内で,1億4400万年前の白亜紀初期の地層から竜脚類の足跡の化石が発見されたことに伴うものです。先月にエウプロンテス・ノビタイの話題がありましたので続いての話題です。地質人としては白亜系からの新種にわくわくします。

 

資料が届きました

 11月の出前授業の資料が届きました。お忙しい中,整えてくださって送っていただけたことに心から感謝です。3ヶ月前に届きましたので,ご要望の教科,単元,単位時間に基づいて,しっかり準備して当日を迎えたいと思います。オンラインでみなさまにお会いできることを楽しみにしています。
 私の出前授業は,みなさまのご要望にすべてお応えしています。授業を受けてくださる対象,授業させていただく学年,授業させていただく教科等,授業をさせていただく単元や単位時間はすべてみなさまのご要望に従います。少人数でも何百人からの全校のみなさんであってもOKです。ご覧になりたい文脈をお申し出いただきましたら,私がそれを準備します。

 

STEM教育

 3日間の日本科学教育学会全国大会を通して感じることは,STEM教育関連の発表が激増したと言うことです。科研費の小区分の分類項目の中にも,STEM教育が組み込まれることが検討されています。本年度の日本理科教育学会の発表枠の中にSTEM教育が組み込まれています。時代はSTEM教育に舵を切っていると言っても過言ではない状況です。

 

任せること

 『学び合い』の考え方の重要かつ大切なことの一つは,学習者に任せることです。故松下幸之助氏の言葉をお借りするならば,やってみなはれ,の精神です。任せたら最後まで任せます。途中で任せるのをやめてしまっては元も子もありません。任せることができるということは,やってみると分かりますが,相手のことを信じていないと任せることができないのです。換言すれば,信じていれば任せることができます。
 信じていて任せてみて,こちらの期待通りの結果に至らなかったら,その時点で語れば良いのです。語って,また任せます。その繰り返しです。繰り返すことができないと言うことは,信じ切れていないということの証かもしれません。そうなったら,もう一度自分自身をリフレクションしてみましょう。自分のどこかに引っかかりが見つかるかもしれません。

 

雨上がりに虹を見た

 雨上がりに虹を見ることができます。同時に2つの虹を見ることができれば,幸運です。虹は太陽の反対側,つまり太陽を背中にしたときに見ることができる光の現象です。虹の輪の中をくぐって向こう側に行くことはかないませんし,虹の根元に辿り着くこともできません。分かっていても,行ってみたいと思うところが不思議です。
 2015年1月22日に,「虹が動いている」を書きました。ご紹介します。
 虹を見ました。これだけならどなたもご経験がおありでしょう。きれいな半円の虹でした。これも普通のことでしょう。新幹線の中から見ました。これも当たり前かもしれません。ストップウオッチで計測したわけではないので正確ではありませんが,およそ4~5分は見続けることできました。これもあることです。しかし,その虹をじっーと見つめ続けていると,大発見!。なんと,その虹が新幹線と一緒に動いていたのです。これは,そうそうにあるものではありませんから,なかなかお目にかかれません。動いているかどうかはどのようにして事実として確かめられたかと言えば,半円の虹の片方の根元をじっと見つめていると,一定のところに留まっているわけではなく,根元の位置を常に変えながら,それも新幹線に連いてくるように一緒に移動している事実があったからです。いやあ,人生で初めてです。貴重な観察をすることができました。
 虹ですから,考えてみれば当たり前なことです。虹を見る向きと反対側に太陽があるわけですから,自分が移動すれば,自分と虹と太陽の位置関係がずれていきますから,それに伴って虹は移動します。当たり前なのですが,移動しながら虹を観察し続けることなど,人生の中でなかなか巡り会うことはありませんから,当たり前なこととは言え,それが当たり前と頭で分かっていても実際に目の当たりにすると驚きます。それも,時速二百数十キロメートルで疾走しているだけに,虹の移動速度も「おーっ,虹が動いている」と誰が見てもはっきりと分かるくらいの速度なのです。分かりやすかったです。百聞は一見にしかず,とはよく言った物です。『学び合い』の考え方の授業をはじめてご覧になったからの気持ちが良く分かるような気がします。まさに,目から鱗,そう,ミラクルでしょう。