教員は,特に中学校の教員は,経験上,子どもたちを型にはめようとする傾向があります。卒業後,社会人として生きていくことができるようにしたいという思いからであると言われます。大学卒業後に学級担任として責任ある立場になってずっと勤めてきたベテランになればなるほど,それまでの自身の経験からその傾向は顕著に表れるような気がします。
こうでなければならないとか,自分はそのように経験してきたからとか,これまでずっとそうやってきたからとか,それまで積み上げてきた知識やそれまで経験してきたことを基にして子どもたちを指導しようと試みることが多いようです。そこでは,子どもたちを自分の枠組みや自分の想定している文脈の下に依存的にしようとしている現象が多々見受けられます。
時代はどんどん移り変わります。世界は刻一刻変化し続けています。黒板にチョーク1本で授業している授業観が変わってきています。教師が1単位時間の間ずっと語り続けていることによって子どもたちが理解できるという学習者観も変わってきています。
教員も,子どもたちの実態をしっかり見極めながら,子どもたちがそれまでに積み上げてきた知識やそれまで経験してきた文脈に依存した教育の在り方や子どもたちとの関係づくりの在り方を具体的に実践していくときが来ています。自戒を込めて。