信濃の国からこんにちは

三崎隆です。私たちは『学び合い』(二重括弧の学び合い)の考え方を大切にしています。

文脈が変わると

 私たちは,社会的な文脈に依存して生活を営んでいます。慣れ親しんだ文脈がいちばん落ち着いて生活できる習慣化が図られてきているからです。文脈が変わるととつぜん対応に苦慮するから困ってしまいます。身近なことで言わせてもらえれば,身の回りのものがどこに置いてあるのかを私たちは文脈に依存して理解していることを挙げることができるでしょう。自分の慣れ親しんだ文脈の下で,さまざまなものを長期記憶に呼び込んでいます。ですから,あそこに置いたはずなのに,という思いはときどきやってきます。そんな経験を持っている方も多いことでしょう。

 気遣いされて片付けられるととたんに分からなくなります。自分以外の人によって文脈を変えられるからです。自分の慣れ親しんだ文脈に戻すのに時間と労力を要してしまいます。初めての場所に行ったときなどは,まったくその周辺の文脈を知らないので余程の予習を積み上げていかないと戸惑いだらけとなります。私たちはいかに文脈に依存して生活しているかがよく分かります。