先日の教職実践演習の際に御指導に来られた県教委の指導主事が講評において,簡単な演示実験をされて理科の面白さと不思議さ楽しさ奥深さを75名の学生のみなさんに教えてくださいました。ありがとうございました。
ところが,終わった後に本学部理科教育コースの教員一同が集まって,一部学生のみなさんも集まってくれて,その現象についてわいわいがやがや議論が起こったのです。楽しく過ごすことができました。
指導主事が実践された演示実験は次の通りです。
赤いゴム風船と緑色のゴム風船を用意して,両方にポンプで空気を押し込めます。2つのゴム風船を細長い棒の両端に吊り下げて,その棒の真ん中を糸でつるします。つまり,赤いゴム風船と緑色のゴム風船の天秤ができるのです。それを釣り合うように両方のゴム風船に同じだけの体積の空気をうまく押し込めておきます。そうやっておいて,どちらかのゴム風船の空気を抜きます。さて,どうなるでしょうか。
次に,A4サイズくらいの透明なポリエチレンの袋を2つ用意して,上記と同じようにして2つの透明なポリエチレンの袋に空気を押し込めます。その上で,同じように,2つの透明なポリエチレンの袋を細長い棒の両端に吊り下げて,その棒の真ん中を糸でつるします。つまり,2つの透明なポリエチレンの袋の天秤ができるのです。それを釣り合うように両方の透明なポリエチレンの袋に同じだけの体積の空気をうまく押し込めておきます。そうやっておいて,どちらかの透明なポリエチレンの袋の空気を抜きます。さて,どうなるでしょうか。
みなさんはどうなると思いますか?物理の問題です。
前者は,空気を抜かなかった方のゴム風船の方が下に傾くことを肉眼で確認できます。つまり,空気を抜いたゴム風船の方が上に上がるのです。一方,後者はほとんど変化を確認できません。つまり,肉眼的にはつりあったままで動かないようにしか見えません。
我々教員が,「もう一度実験してみましょう」と熱くなって実験をやり直し,なぜそのような現象が起きるのかを真剣になって議論を戦わせるのですから,理科って面白く不思議で楽しく奥深いです。やめられません。